しかし、蠍座は、本当に情念が深くて嫉妬深くて、復讐的で、性的魅力に富むのでしょうか？なんだか大昔に一度取り付けられた言葉が、そのまま記号のようになって、ずっとレッテルを貼られ続けているような気もしないでもありません。本当のところはどうなのでしょうか？占いブームで、多くの人が占星術の知識を身につけていますが、なぜ、その星座がそのような性質であると言われるのか、それを検証もせずに、ただ「蠍座は執念深い」などという言葉を押し付けてしまうのは、むやみに蠍座の人を傷つけているような気がします。

蠍座の人は、思考や感情が深いのです。感受性が強いという言い方をしてもいいかもしれません。「受け止めて飲み込む」という性質があるのです。相手の言葉、行動について「なぜなんだろう？」という気持ちを強く持ちますし、自分なりに受け止めて「どうすればいいだろうか」と考えるわけです。ですから行動がとても慎重になります。「こうすればいいのだ」という答えに到達するまでに時間がかかるため、行動は慎重で、時としてタイミングを逃してしまったり、やらず終いになったりもします。他人からはやや愚鈍に見えるかもしれませんが、それは蠍座の行動パターンを理解していないから、そのように思えるだけです。

蠍座は軽はずみな行動を良しとしません。やや時間はかかるものの、熟考の末に決断したことについては、強い意志を持続させることができますし、目的を定めたなら恐るべきパワーと忍耐力で達成しようとします。そうなるまでが長いのです。意志を固めたなら、蠍座の行く手を阻むものはいません。というか、邪魔をしようものなら痛い目に会います。この欲求達成のエネルギーが他の星座に比べてズバ抜けているのです。これが恋愛ならば、好きな相手に対して「どうすれば結ばれるのか」と黙々と考えるわけで、時間をかけるほどに情念が増すのはやむを得ないという構造があります。

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