運命の輪/THE WHEEL OF FORTUNE


タロットコラム
「輪」です。「車輪」です。グルグルと回転しています。「運命の輪」と呼ばれているこのカードは、人物が描かれている他のカードに比べると、とても抽象的な印象を受ける絵が描かれています。真ん中にある「輪」の4方向には「TARO」の文字があります。この文字は、いわゆる「アナグラム」になっていて、並べ変えることで別の意味を持つ言葉に転じると知られています。

「TORA」となると、ユダヤ教の「律法書」という意味になり、 「ROTA」となると、ラテン語の「車輪」という意味になります。 「TORA」というのは、女教皇が手に持つ書がそれである、とも言われていますし、このカードは「車輪」を描いているものですから、ここにアナグラム的要素が、意図的に描かれていることがうかがえます。そもそも「TARO」は「タロット」を表しています。この「TARO」という文字を分解して「TAR」はエジプト語の「道」、「RO」は「王」を表すから「TARO」は「王の道」という意味を持つ、とする説もあります。いずれも語源の「説」に過ぎませんが、まるで「謎かけ」のようです。

「謎かけ」を象徴するかのように輪の上にはスフィンクスがいます。剣を持って様子を伺っています。下方にはオレンジの怪物のような生き物が輪を背中に乗せるかのようにしています。蛇もうねりながら輪の回転と同調しているようです。絵で見る限りは、動いてはいませんが、「運命の輪」は、常に回転しているのです。

四隅にはテトラモルフと言われる4つの生物が配置されています。「有翼の人間(天使)、ワシ、有翼のライオン、有翼の牛」が描かれていますが、それぞれ聖書に登場する福音者「マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ」に対応すると言われています。さらには、それぞれに4つの季節、4つの方角、4つのエレメント(火・地・気・水)を象徴しているとも言われていますし、ワシは「良心」を、ライオンは「意志」を、牛は「犠牲」を、人間は「真理」を象徴しているとも…。ただ、歴史的にテトラモルフには、さまざまな組合せがなされており、何が何を象徴しているのか、確証を持って「これが正しい」と言えるものはないようです。

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運命の輪
ライダー版「運命の輪」



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