魔術師/THE MAGICIAN


タロットコラム
1の番号が付された「魔術師」の姿は、78枚のカードの中でも、とりわけ「色男風」な印象を見る者に与えるように思います。パメラ・スミスにその意図があったかどうか、さだかではありませんが、カードの持つ意味(万能感、創造性など)と絵に描かれた若者の存在が融合して、イメージを増幅さているのかもしれません。ライダー版タロットの箱絵(パッケージ)にも使われている「魔術師」は、タロットの世界観を代表して伝える役目をも担っているようです。

若者の前にテーブルがあり、テーブルには棒、金貨、剣、聖杯が置かれています。古典的な解釈では棒は火を、金貨は土を、剣は風を、聖杯は水を表しているとされています。これは西洋の考え方で「世界を構成する4つの要素」とされています。東洋で言うところの陰陽五行(木火土金水)みたいなものですね。つまりこの若者は「世界のパーツ」をテーブルに乗せて、何やら始めようとしているところのようです。名前が「魔術師」ですから魔術をやるのでしょうか?奇術でしょうか?カードの絵は「はじめようとしているところ」を描いています。ここにあるのは、あらゆる物事の「可能性」であると言えるでしょう。可能性は成功も失敗も含んでいます。

私達が可能性を模索する時は、どんな時でしょう。そうです、何かを強く欲した時です。「欲すること=始まり」であり、その精神状態は限り無くポジティブなはずです。そして可能性を確信している時、私達は創造的になります。脳の働きが非常に活発になっているはずです。「出来る!」と確信した時、たとえ一瞬でも、自分が世界制覇でもしたかのような超越的な快感を味わうのではないでしょうか。オリンピックの選手などは、常に勝利を信じて競技に臨み、本当に世界記録を出したりしますから、この「魔術師」の語る心理状況を多くの場面で体験しているように思います。

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魔術師
ライダー版「魔術師」



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