カードには、やさしげでリラックスした雰囲気の女性が描かれています。3番目にくるのは、女性の持つ受動的な性質、例えば「優しさ」や「母性」を象徴するカードです。このカードは「愛情」に満ちています。ここでいう愛情は、男女の求めあう愛(eros)とは異なって、母親が子供に注ぐような愛情(affection)です。
母親は子供を愛し、可愛がりますが、基本的には自分の子供を可愛がるものです。子供なら誰でも愛せるというものではありませんよね。世界の子供達を愛で救うユネスコ親善大使のような立派な方もいらっしゃいますが、そうなると愛情の質がだいぶ女帝のそれとは、違ってくるように思われます。ここでは一般的な「世の母親が子供に注ぐ愛情」を前提にしたいと思います。「愛情」というものが語り尽くせないほどの深い意味を持っているように、女帝のカードには非常に多くの複合的な意味がこめられているようです。
まず、この女性が女帝であるということを考えると、なんらかの権力を持った女性ということになります。母親というのも子供に対しては、ある意味権力者であると言えるかもしれません。母親が愛情を注がなければ子供は成長することができません。はぐくみ育てる、つまり「成長」を促すという意味がこのカードにはこめられています。女性の座している周囲には多くの植物が伸び伸びと育っています。「豊穣」「大地の恵み」という意味が絵によって表現されています。手前の黄色い植物は麦のようです。麦は生活に欠かせません。西洋における麦は、日本の米のようなものです。こうして絵を眺めるとまさに「満ち足りた環境」を表しているかのようです。 女帝の衣装にはザクロが描かれています。ザクロは西洋において、多産、を象徴するアイテムです。ギリシア・ローマでは若返り、豊穣、不死を象徴し、いずれにしても「女帝」のカードは人間を含めたあらゆる生命に「成長、増殖」を促し、女性としての満たされた姿を象徴しているようです。
|
ライダー版「女帝」
|
愚者 魔術師 女教皇 女帝 皇帝 法王 恋人 戦車 裁判の女神 隠者 運命の輪 力 吊られた男 死 節制 悪魔 塔 星 月 太陽 審判 世界 タロットショップ HOMEに戻る |
---|