愚者/THE FOOL


タロットコラム
「愚者」は英語で"THE FOOL"と表記されます。直訳すると「ばか者」ですね(笑)。タロットカードを最初に日本に紹介した方が、このカードを「ばか」と訳していたらタロットは現在のような 「神秘的」な地位を与えてはもらえなかったかもしれません。あえて「愚者」という言葉をチョイスした方は、本当にセンスがあったなぁと感心します。

さて、「愚者」のカードに付されているナンバーは「0」です。「ゼロ」…、なんとも潔い響きがあります。「ゼロからの出発」と言うと、行く先も決めていないけれど、とにかく前に歩き出そう、そんなニュアンスがあります。一方「一からやり直し」とか「一から出直し」なんて言うと、これは何かハッキリとした目的や目標があって、もう一度やり直す、というニュアンスがあります。

「1」が付されたカードは次にご紹介する「魔術師」になります。「魔術師」のカードには、ハッキリとした欲求が見てとれますが「0」である「愚者」には、欲求すらありません。「何もない」状態です。何の欲もない、どこにも所属していない、何者からも自由な、解き放たれた存在、それが「愚者」です。「愚者」はまったくこだわりを持ちません。魂が自由なのです。ゼロの状態、素の状態。まっさらなキャンバスのように無限の可能性を持ちながら、可能性なんていう概念すら持ってはいない存在です。

つまりそれは、社会性からははみ出した者でもあります。規則も常識も持たないですから、社会的な共同体には居場所はありません。世間的な視点から見れば、「愚者」はやっぱり「愚か者」であり、ばかにされ、はじかれてしまう存在になるでしょう。「あいつはバカだよな」って言われる存在です。

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愚者
ライダー版「愚者」



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