戦車/THE CHARIOT
タロットコラム
重々しい戦車の手前には、それを引いているスフィンクスが2頭。スフィンクスといえば、人々に謎をかけて、答えられなかった人間を喰い殺していた女の怪物です。その謎とは「夜明けには4本足で歩き、正午には2本足で歩き、日没には3本足で歩いて、足の数が一番多い時に最も弱々しいものは何か」というものです。答えは人間でした。生まれて間もない赤子は四つん這いに歩き、成長して2本の足で立ち、年老いれば杖をついて3本目の足を持つ、ということです。この答を出して、スフィンクスを追放したのがオイディプス王でした。興味がある方は、オイディプスの物語をお読みになると良いでしょう。

さて、スフィンクスですが、歴史や文化の変遷の中で、様々に表現されています。エジプトのピラミッドの側に鎮座しているスフィンクスは、どうも男のようですし。ここで取り上げるのは女のスフィンクスです。カードにもちゃんと乳房が描かれています。戦車の前にいるのは2頭、左と右を凝視しています。戦車を引くのに2頭が同じ方向を見ていないということが、この戦車の進まない理由のひとつでありましょう。戦車を進ませるためには、このスフィンクスを思うように操らなければならないでしょう。2頭を1方向に向かせることです。「コントロール」が必要です。2頭が象徴しているものは、東と西、陰と陽、アルファとオメガ、始まりと終り…。「二元的な要素」だと推測されます。白と黒の色彩は、「女教皇」のカードに描かれていた白と黒の柱を思い起こさせます。「女教皇」は「神秘」のカードでした。白と黒の柱は「二元的な要素」を象徴し、「女教皇」はその二つの間に存在する「神秘」そのものでした。この若者に、乗り越えなければならない「課題」があるとすれば、「二元的なものの統合」、すなわち「神秘の力を獲得すること」なのかもしれません。

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戦車
ライダー版「戦車」



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