「神への従順」とは「秩序を乱さず、約束を守る」ということと同義と言えるかもしれません。つまりそれは「恋人」のカードの前に位置する5番目のカード「法王」が象徴していたものと同じです。しかし、イブは神のいいつけを破り「禁断の果実」を食べ、アダムもイブにすすめられて食べてしまいます。「恋人」のカードの絵では、まだアダムもイブもイチジクの葉を身につけてはいません。罪はこれから冒されるのでしょう。空にそびえる天使は、ラファエルが「神に従順であればお前たちは幸福である」と告げているかのようです。少し厳しい面持ちで…。
蛇に描かれているサタンが象徴するものは、「嫉妬」「嘘」「傲慢」「妄想」「復讐」…といったところでしょうか。サタンは眠るイブの耳もとにうずくまり、自分に都合の良い、妄想や幻想をふきこもうとしていたところを天使に槍で突かれました。サタンがイブにふきこもうとしていたのは「失楽園」から引用させてもらうと「傲慢をやがて生み出す自惚れに脹れあがった、錯乱した不平に満ちた想念や、空しい希望や、空しい期待や、不羈奔放(ふきほんぽう)な欲望」だそうです。やれ、恐ろしい。 天使と悪魔、「恋人」のカードには、天使の推奨する「神の道」とサタンの象徴する「罪の道」の両方が一枚の絵に描かれていることになります。マルセイユ版の絵柄には、若い男性とふたりの女性が描かれていて、「恋人」のカードは「迷い」を象徴するカードであるとも言われています。絵柄は違いますが、ライダー版のカードもまた「迷い」を表していると解釈できるのではないでしょうか。
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ライダー版「恋人」
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