死/THE DEATH
タロットコラム
「私達は、毎日毎時毎秒、死んでいるのだ」という考え方があります。こうして生きているその間にも、肉体は衰え、髪の毛は抜け、皮膚は代謝して、どんどん死んでいっているのだと。同時に、私達の身体は、新しい肉体を作り、髪は生え、皮膚はつややかに生まれかわります。「死」と「生」は絶えずやむことなく回り続ける運動機関のようなものなのかもしれません。但し、私達の生命には限りがありますから、いつか来る「死」を避けることは出来ません。

古いものを捨て去り、新しいものを取り込むことで、肉体も精神も成長していきます。勉強や研究なら、毎日新たな課題に取組み、古典を学び、古い世界をつきやぶって、新しい真理を見い出していくことに意義があります。時には、地動説が天動説に変わったように、世界をまったく塗りかえてしまうようなことも起こります。ひとつの時代が終るからこそ、新たな時代が始まる。「死」を概念としてとらえる時に、こうした「終り」と「始まり」の両方を含んだものだと理解しておくと、何かとわかりやすいかと思います。

「死」は、突然、何の前ぶれもなくやってくるかもしれません。予期していない人々にとっては、その訪れは「脅威」です。抗う術はありません。「死」とは、私達の意図や希望など、一切無視して襲いかかってくる「無情」なるものです。「死」が訪れたら、もはや一切の終わり、「終焉」なのです。また、「死」とは「変化」でもあります。「変化」というのは、平和に生きている人間程、受け入れ難いもののようです。

しかし、私達が生きている限り、たとえどんな悲惨な「死」を体験したとしても、陽はまたのぼり、新たなる朝がはじまります。「死」のカードには、2本の柱の間に輝く「不滅の太陽」が描かれています。手をあわせて祈っている聖職者の姿からは、「死」を前にして私達はどうあるべきなのか、それが重要であって、「死」を恐れることはナンセンスである…、というメッセージがこめられているような気がします。

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死
ライダー版「死」



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