吊られた男/THE HANGED MAN
タロットコラム
吊られた男は、このまま宇宙的な世界に身をゆだねるしかないのだと悟ったのかもしれません。それは一種の「覚醒」ともいえる大いなる「知性」の訪れであり、その「知性」を獲得したことで、「慈悲」もまたあり得る、そういうことなのではないでしょうか?男が吊られている木はT字型をしており、Tau(タウ)すなわち「世界」をあらわし、「生命」を象徴しています。描かれた木には「生命」を強調するかのように緑の葉が繁っています。「死にゆく男」と「繁る樹木」が一体として描かれていることで、「宇宙の秩序・完全周期」という要素を表現しているように感じられます。

「吊られた男」は、深く自己を掘り下げて「知性」を獲得しようとする「隠者」と比べてみると、その違いが興味深い感じがします。「隠者」は孤独に黙々と自ら行う作業であるのに対して、「吊られた男」には、本人の意志というより外圧、すなわち人間関係や社会といった要因が強く関わっていると考えられるからです。占星術で言うなら「隠者」が内惑星的な知性の働き、「吊られた男」が外惑星的な知性の働き、といった感じでしょうか。

実際の占いの場に「吊られた男」が展開された時には、そのことに関して「身動きできない状態」であると解釈します。有効なアクションはありません。じっと耐えているしかありません。理不尽であってもある程度の「我慢」や「犠牲」がともなう状況なのです。

そして「吊られた男」のカードの次には13番目の「死」のカードが控えているのでした。

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吊られた男
ライダー版「吊られた男」



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