正義/THE JUSTICE
タロットコラム
さて「正義」とは何でしょう?「正義」とは悪を許さない「強さ」のことです。だから剣を持っているのです。「裁く」という行為が「正義」のカードにはつきまといます。「正義」の象徴する人物像は「裁く人」「評価する人」「許さない人」「厳しい人」です。会社で言うなら「上司」、学校なら「教師」という立場の人々があてはまりやすいでしょう。しかし、そういう立場に限らず、誰もが「正義」のカードになり得る可能性を持っています。なぜなら、すべての人の心には「自分の正義」というものがあるからです。

他人から見て、理不尽であっても、自分の「正義」に従って行動している人はたくさんいます。たったひとりで「正義」を追求しているならばいいのですが、人間社会では人と人の交流が不可欠です。お互いの「正義」が一致しているなら問題は起きませんが、食い違っていれば戦争になりかねません。戦いです。「正義」を理由にすべての戦争はひき起こされるのです。

日本の時代劇などでは「正義」を理由にクライマックスでは流血のチャンバラになり、悪党はバッサバッサと斬られてしまいます。「勧善懲悪」というヤツですが、よく考えれば、たいそうなバイオレンスです。この時、テレビのヒーローと、見ている我々の「正義が一致」しているので、何の違和感も感じません。しかし、仮に、自分の身内が悪者としてバッサリと斬られたりすると、ヒーロー側との「正義」は一致しませんので、こちらの「正義」をもって「仇討ち」に出かけたりするわけです。「正義」と「正義」のぶつかりあいというのは、甚だ激しく、その最たるものが宗教戦争ではないかと思います。

共同体における、お互いの利害の一致については、「教皇」のコラムで語りましたが、「正義」のカードの場合は、一致を見なかった場合の「断罪」の仕方が、もっと野蛮で「暴力的な行為」に結びついています。 ですから本当にそれが「正義」であるのか、を常に考えなければならないのですが、何が「正義」で何が「悪」なのか、ハッキリと答が出ることはおそらく永遠にないのです。天秤の皿の一方には自分の「正義」、もう一方には相手の「正義」をのせ、天秤が揺れ始めたら、どうにか「均衡を保つ」ように「調整をはかる」のです。

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正義
ライダー版「正義」



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