正義/THE JUSTICE
タロットコラム
「正義」のカードは天秤座と結び付けられますが、天秤座が調和を重んじる星座といわれるのも、天秤の揺れを調整し、もっとも均衡のとれた状態を維持しようと努めるからです。天秤はただ量るためにあるのではなくて、2つの物事の「調整をはかる」ための装置なのです。ぴたっと均衡がとれることが理想ですが、なかなかそうもいきません。天秤はいつでも微妙に揺れていると思っていた方がいいでしょう。

その揺れが大きい場合は「もはやこれまで!」と、この人物は片手に持っている剣を振り下ろすことでしょう。その場合、振り下ろされた方は、大変なダメージを被ります。ですから、カードを展開させて、キーとなる位置にこの正義のカードが出たら、ちょっと気を付けなければなりません。その人物が、相談者本人であっても、第三者であっても、剣を振ることにならないよう気をつけるべきです。「調整をはかる」必要性をカードは訴えているのです。

「正義」のカードの人物は目隠しをしていません。その判断を本当に「公正」にするなら、やはり目隠しをすべきでしょう。しかし自分の目で見ているからこそ、自分にとって正しい判断ができるということもあります。何も見ないで、ただ目盛りのフレだけをもとに断罪することは、人間的ではありません。神話の神様だって、時としてとても人間臭い行動をします。それは神話を創ったのが人間だからなのでしょう。タロットカードも、人間が創った人間のための道具です。占いの現場では、カードに描かれた人物と、相談事に関係する人間関係を重ね合わせたりすることもしばしばです。神話的で崇高でゆるぎない真理をカードから読み取ることもできますが、実際は、もっともっとドロ臭い感じの解釈も出て来ます。剣を振り下ろしたくても、振れないこともある、そんな人間ぽい葛藤もまた、天秤の揺れから感じ取れるのではないでしょうか…。むやみに剣をふるわないことが肝要です。

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正義
ライダー版「正義」



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