魔術師/THE MAGICIAN
タロットコラム
「出来る!」と信じて行動し、結果的に敗北や失敗を味わうことも少なくありません。ただ単に「欲する」ということは、幼稚なエゴであり、世間にまかり通ることは許されなかったりもするのです。「成功」には、そのための裏付けが必要なのです。その点で「魔術師」のカードは「技術」や「熟練」といったコンセプトを含みます。テーブルに広げられた素材をいかに使いこなすか、いかに変貌させるか…。そこに「芸術」という概念が浮上してきます。「芸術」のことを「アート」と呼びますが、もともと「art」の語源は「技術」です。技術に裏打ちされたものを昔はアートと呼んでいたのですが、近現代においては、技術よりも「感性」を重視する傾向があって、「アート」「芸術」という概念が混沌としているように思われます。

さて、すべての芸術の根源にある要素は何でしょう。それは「驚き」です。それは「美」ではないのですか?と言われる方がいるかもしれません。「美」と呼ばれるものの根源にあるのもまた「驚き」です。この点において「芸術」と「美」は限り無く近いと考えても良いかもしれません。私達が芸術や美に心を奪われるのは、瞬間的な作用によるものです。出会いのその「瞬間」に『ハッとさせられ』たり、『心を奪われ』たりして、ようやく数分後に「好きだ」とか「惚れた」とか「美しい」という言葉を発するものなのです。脳が受けた刺激を解釈して認識するまでの数分、あるいは数秒、人によってはもっと長い時間、その時間の中で展開される出来事を「魔術=マジック」と言ってもいいかもしれません。何故そうなってしまったのか、当の本人にもわかりようがないからです。

スイッチが押されたように「欲望=エゴ」は発動します。誰かを好きになる時に「論理的に好きになる」人はいないでしょう。たいがい好きになってから理由を見つけて「ハンサムだから」とか「やさしいから」とか言いますが、それは自分が何故好きなのか、自分なりに納得したいからそのように理由付けをしているのに過ぎません。他人にも説明しやすいですし。

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魔術師
ライダー版「魔術師」



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