まずは、ザリガニ。「月」は、かに座の守護惑星とされているので、「月」のカードにザリガニが描かれているのは、占星術との関連づけではないかと思われます。
犬は、アルテミスの猟犬と考えることもできますが、ヘカテも地獄の番犬を連れています。地獄の番犬はケルベロスなどとも呼ばれ、単純な犬の姿ではなく異形の存在です。狼の形ではありません。しかし、犬と狼はアルテミスとヘカテ、表と裏、光と影のような「相対する存在」を表しているのかもしれません。なぜならば狼は、昔から魔術と強く結びついている獣であり、ヘカテは魔術を司る女神だからです。 狼は夜の動物。犬と姿は似ていますが、人間の家畜になることなく、時には牧畜や人間を襲うことから、害獣として常に人々に恐れられてきました。犬が人間の家畜として、ときには友達や家族のように接されてきた歴史と比べると、実に対照的な存在です。悪の代名詞のように扱われてきた狼ですが、昔の人々は、狼には魔力があると信じていました。
「狼の乳を飲むと妊娠できる」という伝説を信じて実行した女性が、高齢で出産し、子供は生まれたものの忌まわしき魔女として葬られたというドキュメントを先日テレビで見ましたが、中世ヨーロッパでは、魔術と狼は密接に結びついていたようです。魔女は狼の姿で現れる、魔女は狼の背にまたがってサバトに行く、など。また、人間を守る魔力もあり、狼の皮の帽子をかぶっていると誹謗中傷されない、狼の目玉を身につけていると誰からも敵視されない、狼が口をあけた剥製を戸口に飾ると盗賊や悪魔から守られる、など、狼の歯、尻尾、そのすべてが「厄よけの効力」を持つとされていたようです。「魔力のある獣」だったのです。
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ライダー版「月」
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