女教皇/THE PRIESTESS
タロットコラム
さて、女教皇の背後には2本の柱が建っていて、彼女はその間に座っています。左の柱は黒く「B」と記されており、右の柱は白く「J」と記されています。これは、ソロモンの神殿の2本の柱「ヤキン(Jachin)」と「ボアズ(Boaz)」をあらわしています。ヤキン(右=東)は「幸運」、ボアズ(左=西)は「不運」を意味するという説もありますが、「これが正解」と言えるような確かな解釈はないようです。ただ、2本の柱が、あらゆる物事の対立、「光と影」、東洋で言うところの「陰と陽」のような「対立する存在」を象徴するのではないかという推測は、比較的容易にされるのではないでしょうか。

絶えまなく繰り返される光と影の運動、夜空の月が不思議な光で世界に物語るように、それはまさに「神秘」と呼ぶにふさわしい現象です。この「神秘」の前で、私達は「すべてを理解する」ことが不可能になります。もはや「魔術師」の「万能感」は消え、決して手の届かない「存在」を知ることになります。自分でははかりしれない「何か」の存在、それは、自分以外の他人の存在であることもあれば、自分でも知り得ていない自分自身の本質、深層心理であることもあるでしょう。

何ゆえに人は「知り得ぬ世界」を覗き見ようとするのでしょうか。女教皇の隠している書物を見たがるように、私達は時として「見た事のない世界」を見ようと欲します。「行った事のない地」に足を踏み入れたいと望みます。それは「神秘のヴェ−ルを剥ぐ」ような行為ですが、ヴェ−ルの下に隠されている真実にはなかなか手が届かないものです。理想郷を目指して道に迷えば、女教皇に対峙する「月」のカードの不安が襲います。月はルナ、そして「ルナシー、ルナティック」が「狂気」を意味することは、多くの人の知るところでしょう。よくよく見れば女教皇の背後には「深遠」を暗示させるかのように海(または湖)がひろがっています。

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女教皇
ライダー版「女教皇」



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