力/THE STRENGTH
タロットコラム
ここでもカードは2つの対立項を私達に提示してくれています。女性に象徴される「賢さ」や「優美さ」の持つ力と、ライオンの持つ「どう猛」で「野蛮」な力。しかし、カードが占いの現場で示唆するのは、そのどちらでもなく、またどちらでもある、「絶妙なバランス」の上に成り立つ「ある状態」、違い過ぎるふたつの要素を「力」としていかに獲得するかという「智恵」を物語っているように思えてきます。

ウエイトの記述では、女性とライオンの存在をかなり神秘的な言葉で語っている感じがします。私個人は「力」のカードには、現実的な「力」と呼ばれるものの姿を投影し、占いの実践に役立てたいと考えていますので、この場では、独自の観点で、わかりやすい解釈を提示してみたいと思います。そもそもコラムですから、学術的な解説とは異なり自由な発想で書いているものです。予めご了承くださいませ。

さて、私がもっとも「力」のカードを語るのに良い例だと思った記述は、マキアヴェッリの「君主論」でした。「君主論」といっても、そのものズバリを読んだわけではなく、塩野七生さんの「マキアヴェッリ語録」を読んでのことですが。その「君主論」抜粋にこうあります。

“成功を収めるには二つの方法がある。第一の方法は法律であり、第二の方法は力である。第一の方法は人間のものであり、第二の方法は野獣のものである”

そして君主はその二つを使い分ける能力を持っていなければならないと述べています。地位を長く維持するためには、そのどちらかが欠けてもいけないとも。そして、注目すべきは「ライオンと狐の例え」です。ライオンが登場したのも「力」のカードを思い起こさせる大きな要素でした。その例えとは、

“ライオンだけならば、罠から身を守ることはできず、狐だけならば、狼から身を守ることはできないにしても、狐であることによって罠から逃れられ、ライオンであることによって狼を追い散らすことができる”

というものでした。そして最後にこうあります。

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力
ライダー版「力」



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