“ただし狐的な性質は、巧みに使われねばならない。非常に巧妙に内に隠され、しらっぱくれてとぼけて行使される必要がある”

いやはや、あざとくも賢い政治論ではありますが、「力」とは何なのか、という問いに、現代社会において「力」とは「権力」であると答えてバツがつかないならば、マキアヴェッリ先生のおっしゃることも、「力」を解釈する上で応用させていただくのも有効ではなかろうか、と思います。個人的に、しっくり来た、こういうネタはしっかり頭の引き出しに入れてイメージをふくらませていきます。「力」が、純粋に「権力」を語るカードではないにしても、広義の意味で「力」を理解して、カードのイメージを深めることは実際のの占いに大いに役に立ちます。

さて、少し余談ですが、先日、古い映画を見ました。アラン・ドロン主演の「スコルピオ」というスパイアクションものです。クライマックスで撃たれて死んでいく男のセリフが印象的でした。

「善もない、悪もない、目指すのは勝利でもなく、敗北でもない、ルールはひとつ、ゲームを続けることだ」

政治的な「権力争い」には終わりがありません。「力」を行使すれば、必ず対立する「力」があらわれるものです。彼を撃ったアラン・ドロンは、ネコを撫でているところを別のスパイに撃たれてTHE ENDでした。

占いに展開された「力」のカードの解釈には、少しばかり深い「読み」が必要かもしれません。相談者の置かれた状況なども考慮する必要がありそうです。「力」のカードが展開された時には、良くも悪しくも「力を巡る問題の渦中にある」ことを推測してみます。カードの絵をどんなに見つめていても、女性の「力」が強いのか、ライオンの「力」の方が強いのか、判断を下せる人はいないでしょう。

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