太陽/THE SUN
タロットコラム
白い馬に乗ってやってくる「子供」、この対極には「死」のカードにおける、白い馬にまたがって進む「死」の姿が思い浮かびます。「死」は「終わり」「終末」を意味しており、文字通り「死んでゆくもの」を象徴します。「死」のカードの背景に落日が描かれていることに注目してみましょう。あれは「死にゆく太陽」、すなわち「冬の到来」を象徴していると思われます。落日の手前には「月」のカードでも描かれている神秘的な柱が2本あり、この世とあの世の境界を暗示しているようです。ライダー版の制作者は、おそらく「太陽」と「死」のカードを対比させる意図をもって「白い馬」を「太陽」のカードにも描いたのではないか、と思います。

「死」のカードの次にくるカードが「節制」であることにも注目させられます。なぜならば「節制」のカードは、季節であてはめていきますと「夏至」を象徴していると推察されるからです。「冬至」が「太陽の力が強まり光が増していく日」ならば「夏至」は「太陽の力が弱まり光が減っていく日」です。「節制」のカードにも遠い山の奥に太陽が描かれていますが、こうして文脈をたどって解釈しますと、これもまた「弱まって行く太陽」であろうかと推察されます。太陽は山の向こうにあって遠く、道が続いているけれど果てしない印象を受けるのも、太陽が「離れていく」ことを暗示させるための表現であろうと思われます。

「夏至」は「聖ヨハネ祭」の日でもあり、弱まっていく太陽の光に力を与えるために祝火を焚き、悪霊を払い農作物が無事に収穫できるよう祈りを捧げる日でもあります。この日は、不吉な日であるともされていて、川や湖が生贄を求めるため、水泳は避けなくてはならないとされていたとも言われています。「節制」に水辺が描かれていることと符号しますが、そこまで意図されて描かれたかどうかまでは、わかりません。

←戻る 続きを読む→
太陽
ライダー版「太陽」



愚者 魔術師 女教皇 女帝 皇帝 法王 恋人  戦車 裁判の女神 隠者

運命の輪  吊られた男  節制 悪魔    太陽 審判 世界 


タロットショップ  HOMEに戻る